
防犯
平屋の防犯|窓・外構・間取りでできる対策と費用の目安
写真はイメージです
平屋は、すべての窓が地面から手の届く高さにあります。寝室も1階です。「2階の窓は開けたまま寝る」ができない家なので、防犯は入居後の対策ではなく、設計の段階で決めておきます。
まず数字を見る
警察庁「住まいる防犯110番」の令和7年の数字では、一戸建て住宅で起きた侵入窃盗(13,744件)は次のようになっています。
| 項目 | 数字 | ここから分かること |
|---|---|---|
| 侵入口 | 窓 57.9%(7,957件)/表の出入口 19.4%(2,651件)/その他の出入口 13.2%(1,837件) | 窓がいちばん多く、6割近い |
| 侵入の手口 | ガラス破り 42.2%(5,802件)/無締り 41.5%(5,706件) | 窓を割るのと、鍵のかけ忘れが、ほぼ同じ数。合わせて8割を超える |
| 発生場所 | 侵入窃盗全体(47,233件)の29.1%が一戸建て住宅 | 共同住宅(3階建以下 5.7%、4階建以上 3.4%)より多い |
警察庁のページで確認した値です(公式確認)。空き巣だけでなく、忍込み・居空きなどを含む侵入窃盗全体のうち、一戸建て住宅で起きたものの内訳です。「無締り」は鍵のかかっていない所から入る手口のことです。平屋と2階建てを分けた数字は見つかりませんでした。数字は毎年更新されます。
対策は、この数字から決めます。1. 窓を破られにくくする 2. 鍵をかけ忘れない 3. そもそも近づきにくくする。1と2はほぼ同じ重さです。
1. 窓:平屋の防犯の中心
窓の「大きさ」と「高さ」で決める
| 窓の種類 | 人が通れるか | 対策 |
|---|---|---|
| 掃き出し窓(床まである大きな窓) | 通れる | シャッター、または防犯合わせガラス+補助錠 |
| 腰高窓(引き違い) | 通れる | シャッター、面格子、防犯合わせガラスのどれか |
| 高窓(横すべり・床から1.8m以上) | 通りにくい | 開く幅が小さいものを選ぶ |
| 縦すべり窓・スリット窓(幅が細い) | 幅しだい | 人が通れない幅にする。寸法を確認する |
| FIX窓(開かない窓) | 割らないと通れない | 大きいものは防犯合わせガラス |
道路側や隣家側は、高窓と細い窓で光と風を取り、大きな窓は庭側に集めると、防犯と目隠しを同時に解決できます。平屋の間取りでよく使われる考え方です(間取りの記事)。
シャッターか、防犯ガラスか
- シャッター:閉めていれば窓に近づけない。台風のときの飛来物からも守る。毎日開け閉めするなら電動にしないと、だんだん閉めっぱなし・開けっぱなしになる。電動は1か所あたり十数万円の追加になることが多い(当サイトの目安)。
- 防犯合わせガラス:2枚のガラスのあいだに膜をはさんだもの。割っても穴があきにくい。開け閉めの手間がなく、見た目も変わらない。「CPマーク」は、こじ破りなどの侵入の試みに5分以上耐えるといった基準の試験に通った、防犯性能の高い建物部品に付く印です(試験の内容は手口ごとに決められています)。
当サイトは「寝室と、道路から見える大きな窓は電動シャッター。庭側の大きな窓は、シャッターか防犯合わせガラスを見積もりで比べる」という方針です。台風の多い地域では、シャッターの優先度が上がります。
夏の夜、窓を開けて寝られるか
平屋でいちばん現実的な問題です。対策は3つあります。
- 寝室に、人が通れない幅の縦すべり窓か高窓を1つ入れる。
- 通風できるシャッター(羽根の角度を変えられるもの)を選ぶ。
- 高断熱・高気密にして、窓を開けずにエアコンで過ごす前提にする(性能の記事)。
2. 鍵:かけ忘れをなくす
手口の約4割が「無締り」です。お金をあまりかけずに減らせるので、費用に対する効果がいちばん大きい部分です。
- 玄関は電子錠(オートロック)にする。閉めれば勝手に鍵がかかる。多くの会社でオプション、または標準です。
- 勝手口をつくらない、またはつくるなら玄関と同じ水準の鍵にする。出入口が増えるほど、かけ忘れが増えます。
- 窓の閉め忘れが分かるしくみを入れる。窓の鍵の状態を1か所で確認できる設備や、後付けの開閉センサーがあります。
- 掃き出し窓には補助錠を付け、鍵を2か所にする。
3. 外構:近づきにくく、隠れにくく
目隠しと防犯は、ぶつかります。高い塀で完全に囲うと、入ってしまえば外から見えないからです。
- 目隠しは「見られたくない窓の前だけ」にして、敷地全体は見通しを残す。すき間のあるルーバーや、足元の空いたフェンスを選ぶ。
- 建物のまわりに砂利を敷く。踏むと音がする防犯砂利が使われます。
- 人感センサーの照明を、玄関・勝手口・建物の裏・駐車場に付ける。配線は建物の工事で入れておく。
- 足場になるものを窓の近くに置かない。平屋は屋根が低いので、物置・エアコンの室外機・フェンスから屋根に登れる配置を避ける。天窓や高窓があると、屋根からの侵入口になります。
- 防犯カメラは、後から付けられるように、軒下にコンセントと配管だけ先に入れておく。
数量と費用は外構費の概算ツールで出せます。
4. 間取り:寝室と窓の位置
- 寝室を道路側に置かない。置く場合は、道路側の壁は高窓だけにする。
- コの字・L字で中庭をつくると、大きな窓を道路から隠せる。ただし中庭は外から見えない場所でもあるので、中庭に入る経路(建物と塀のすき間)をふさぐ。価格は上がります。
- 洗面・浴室・トイレの窓は小さく高く。換気は換気扇に任せ、窓をなくす選択もあります。
- 玄関が道路から見えること。玄関を奥まった位置に隠すと、泥棒が鍵を開ける作業を、外から見られにくくしてしまいます。
費用の目安と、優先順位
お金をかけずにできるものを先に並べています。窓を破られにくくする対策は、3のシャッターか、6の防犯合わせガラスのどちらかで行います。
| 優先 | 対策 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 窓の大きさと位置を見直す | 0円(設計で決まる) |
| 2 | 玄関の電子錠 | 標準〜数万円 |
| 3 | 寝室と道路側の大きな窓にシャッター | 1か所 数万〜十数万円 |
| 4 | センサー照明と、カメラ用の配線 | 数万円 |
| 5 | 建物まわりの砂利 | 外構費に含める |
| 6 | 防犯合わせガラス、ホームセキュリティ | 窓の数と契約による |
費用は当サイトの目安です。会社の標準仕様で大きく変わるので、見積もりで確認してください。
間取りの提案をもらうときに伝えること
「平屋なので防犯が心配です。人が通れる大きさの窓がどれか、図面に印を付けてください。その窓にシャッターか防犯ガラスを入れた見積もりもお願いします」と伝えます。印を付けてもらうと、窓の数と大きさを見直すきっかけになります。
出典・確認日 2026-10-13:
侵入口・手口・発生場所の数字は、警察庁「住まいる防犯110番」の手口で見る侵入犯罪の脅威とデータで見る侵入犯罪の脅威(令和7年の数字)で確認(公式確認)。CPマークは「防犯性能の高い建物部品」の共通標章です。対策の優先順位と費用は当サイトの目安です。
よくある質問
平屋は2階建てより泥棒に入られやすいのですか?
平屋と2階建てを分けた公的な統計は、当サイトの調べた範囲では見つかりませんでした。ただ、一戸建ての侵入口は窓がいちばん多く、平屋はすべての窓が地面から届く高さにあります。条件としては不利なので、設計の段階で対策を入れておく意味があります。
全部の窓にシャッターを付けるべきですか?
当サイトは、人が出入りできる大きさの窓(掃き出し窓・腰高窓)にはシャッターか防犯合わせガラスのどちらかを付ける方針です。高い位置の横すべり窓や、幅の細い縦すべり窓は、人が通れない寸法にすることで対策になります。
防犯ガラスにすれば安心ですか?
ガラスを割るのに時間がかかるようになりますが、鍵が開いていれば意味がありません。一戸建ての侵入の手口は、ガラス破りと、鍵のかかっていない所から入る「無締り」がほぼ同じ数です(警察庁・令和7年)。ガラスの対策と、鍵をかけ忘れないしくみは、両方そろえます。


